2017年《You had me at scrolling(スクロールを見ただけで虜になったよ)》

 

 

 

 

(展示会場で13分で上映していたものを4分に短くした映像)

 

 

【ステイトメント】

タイトルの《You had me at scrolling》は、スティーブ・ジョブズが2007年にiPhoneお披露目のプレゼンテーションで得意げに話した一文です。iPhoneの開発に関わっていないAppleの社員にできたてのiPhoneを見せたらこう言われたそうです。
この言葉に会場も感嘆と笑いに包まれてから10年が経ち、今では使わない日は無いほど当たり前のものになりました。
街に出ると私自身を含め多くの人が、四角い画面に没入しながら指を動かしていますが、ある研究によるとこの動きによって最近脳の構造も変わってきたそうです。
一人の発明によって私たちの日常は大きく変わります。
私は自分の体を自分のものと思っていますが、無意識に便利を取り込んで生活している私たちの体は、もしかしたらこの時代によってつくられた現象の一部なのかもしれません。
そんな揺らぎやすい日常での身体性を確かめていたいと思っています。

【解説】

今回の作品は映像とペインティングから成るインスタレーションです。
映像は、iphone のお披露目プレゼンテーションを見ているシーン、スティーブ・ジョブズ風の格好をした私が電車の中でスマホにみせかけてペインティングをしているシーン、電車の中でiPhoneを使っている人の指の動きを真似しながらペインティングをしているシーンの3パートで、そこで行ったペインティングを壁面に配置するという展示構成です。
この作品においての私のリアリティは、スマホを使いながら指の動きだけで何でもできていることへの違和感と、違和感なくその画面に没入してる感覚です。
そう思ったきっかけは普段の街中で、特に電車やスタバで10人中10人が同じような姿勢でスマホをいじっているのを見たときにその感覚が強く起きました。
この現実を作ったのは誰かと考えると、アップルのiPhoneの発明によるもので、そう考えると普通の人の日常は誰かの発明で変わってしまい、人の動きも現象の一つなのではと感じました。
その現象が起きている場所で、その行動をペインティングとして残すことで、この時代の一部を捉えられるのではないかと考え制作した作品です。

___________________________________

グループ展「しんじてたものに凹(あな)があいてた」

【会期】4/5(水)-4/9(日)12:00-18:00 ✳︎レセプションパーティー 4/8(土)18:00〜

【会場】小金井アートスポット シャトー2F

http://www.chateau2f.com/access/index.php

【アクセス】
〒184-0004 東京都小金井市本町6-5-3 シャトー小金井 2F
JR中央線武蔵小金井駅南口から徒歩5分

【アーティスト】
浅間明日美 石川佳奈 宇野澤宣行 男澤洋一郎 タカキカオリ 棚橋明日香 西咲美花 星野夏来(2016アートト卒業生)

本展はインスタレーション、映像、ペインティング、刺繍など多様な手法を用いた8名のアーティストが、それぞれ独自の視点により現代社会の凹について可視化し、様々な側面より思考するきっかけへと導く試みです。