2011年 もっと完璧な名前を頂戴★展

 

 

 

[展示コンセプト]
所属がないことへの不満、所属を否定する気持ち、それでも所属したい欲求。
そんな矛盾をテーマに行った展示。

私は、周囲の人から自分のことをどう思われているのかが、気になります。
「artistはそんなこと気にしない!」という憧れを持ちながらも、気になってしまうのが正直なところです。
世の中には、沢山の所属や関係を表す言葉があり、皆、沢山の名前を持っていると思います。
母、父、妻、夫、学生、社会人、正社員、社長、先生、生徒、患者、客、、、
例えば私は、社会から見たらフリーター、親から見たら娘、弟から見たら姉、ある人から見たら親友、ある人から見たらただの友達、知り合い、彼女、ただの店員、先輩、生徒、、、と無数の名前を持っていますが、その中には自分で気に入っていない名前もあります。
フリーターという枠に入りたい訳ではないのに、社会から私は「フリーター」と認識されていたり。 恋愛では、好きな人は私のことを「ただの友達」だと思っていて、納得がいかなかったり。 「友達以上、恋人未満」という呼び方まで世の中にあるのは、私だけではなく、皆少なからず、ある人との関係性をぴたっとした言葉で言い表せずに、もどかしく感じているからだと思います。

では、逆に自分の望む呼び名は何なのかを考えてみました。
フリーターではなく「正社員」だったら、友達ではなく「恋人」だったら、自分は満足なのか?と。 でも、それはそれで疑問符が浮かびました。
今つけられている名前が嫌だからと言って、「それに相対する名前をつけられるモノ」になる事を望んでいるわけではないからです。
私は、つけられる名前に納得がいかないだけで、私の現状に納得ができていないわけではないのです。
考えすぎるあまり「そもそも所属も名前もなくたっていいんだ、気にする必要はない!」という結論に至る事もあります。
それなのに私はまた、「やっぱりどうしても所属や名前が欲しい」と、願ってしまうのです。

2011年12月 石川佳奈